iStentの認定医になりました

iStentの認定証を頂きました。

今回は昨年認可された新しい緑内障手術、水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術のお話です。

この手術は白内障手術時に、隅角という目の中の水(房水)を眼外に排出する部位に、iStentという約1mmのチタン製のパイプ(写真1,2,3)を埋め込み、房水の眼外への排出を改善し眼圧を下げる手術です(写真4,5)。
(緑内障に関しては当院HPの診療内容→緑内障の項を参照下さい。)


写真1:iStent全体像(長さ1mm)

iStent全体像(長さ1mm)


写真2:iStentの大きさ(指と比較するとその小ささがわかります)

iStentの大きさ


写真3:インサーター(先端にiStentが把持されており、隅角部に刺入後、人差し指の部分のボタンを押すとiStentがリリースされます)

インサーター


写真4:iStent手術風景(左側:隅角にiStentを刺入する直前)(右側:術後の隅角所見。iStentが隅角部に刺入され、Snorkel部を通して、房水が眼外に排出される)

iStent手術風景


写真5:iStent隅角部での房水流出のイメージ図

iStent手術風景


この手術の利点として、非常に小さい角膜切開(2.5mm)からの手術で結膜を触らない為、将来の緑内障手術追加に悪影響をおよぼさず、また日常生活への早期復帰が可能なことが挙げられます(写真6)。

写真6:手術のイメージ(耳側の角膜切開部から白内障手術を施行、その後隅角鏡で隅角を直視しながら、インサーターでiStentを隅角に刺入する)

iStent手術風景


一般的な緑内障手術に比べると眼圧下降効果は少ないですが、緑内障点眼薬数を減らすことが期待出来ます。

当院では昨年夏より講習会の参加や模擬眼での練習を経て昨秋より手術を開始し、この度iStentを使用した手術手技に習熟したとして認定証を頂きました。

現在までに7眼に挿入しましたが、全例眼圧の下降を得ており、特に合併症は認めず術後経過は良好です。ただ新しい手術ですのでもう少し経過を見極める必要があると思います。

また経過や結果を御報告したいと思います。